大黒天図(渡辺始興筆)だいこくてんず(わたなべしこう)

  • 江戸時代
  • 17-18c
  • 紙本著色
  • H-104.5 W-38.9

渡辺始興(1683~1755)は江戸時代中期の琳派の画家。京都に生まれる。初め狩野派に学んだが、後に尾形光琳に師事しその装飾画法を受け継ぎ、両者を並行して描いた。また写生においては円山応挙にも影響を与えた。京都画壇において光琳と応挙の中間的存在としての意義は大きい。大黒はもとはインドの軍神であったが、日本では庶民的な福神となり、広く親しまれるようになった。うずたかく積まれた米俵の頂上に小槌をかざして嬉々とした大黒天を描く。微かに施された朱彩が、小槌を振るって米俵をどんどん増やしていく福寿を象徴的に示す効果を生み出している。