志野四方向付 - MIHO MUSEUM

志野四方向付しのよほうむこうづけ

  • 岐阜県・美濃窯
  • 桃山時代
  • 16c
  • 美濃陶製
  • H-9.2 D-9 W-8.5

桃山時代 16世紀
高:9.2cm 口径:8.5cm

轆轤挽きした後に四方をせめて四方入隅形に仕上げた筒向付である。底はいわゆる碁笥底風に浅く円形に削り込まれている。胴の外四方には蛇篭文,瓔珞文,さらにすみれと菖蒲のような植物文様が各面に交互に描かれ,長石釉が掛けられている。文様は志野独特ののびやかな筆行きで,発色も鮮やかである。この種の向付も黄瀬戸筒向付(図版90)と同様に一客ごとに分けられている場合が多く,このように五客揃って伝世しているものは少なくなっている。底は削り込みの部分を中心に露胎となり,美濃地方特有の柔らかな白土が見られる。 (赤沼)

美濃焼(みの)

美濃国(現在の岐阜県)の東部地域(東濃地域)で生産されるやきものの総称。その起源は奈良時代の須恵器窯にまで遡り、室町時代末期に瀬戸の陶工たちが美濃に移住していわゆる美濃物と呼ばれる桃山陶器が焼き始められたとされています。


織部筒茶碗 織部瓢絵四方鉢 志野芒文鉢 黄瀬戸鉦鉢 黄瀬戸輪花鉢 織部切落向付 5客 鼠志野向付 黄瀬戸輪花向付 5客 織部茶入 織部火入 志野傘車輪文平鉢

志野(しの)

16世紀後半の1580年代後半以降に美濃で焼かれたとされるやきもので、長石釉を掛けた白色の陶器です。無地志野、絵志野などがあります。


志野織部徳利 志野芒文鉢 鼠志野向付 志野傘車輪文平鉢

Catalogue Entry

Set of 5 dishes
Momoyama period, 16th century
Shino ware
Height, 9.2cm; mouth diameter, 8.5cm

After being wheel-thrown, these cylindrical mukozuke dishes were given a square, indented corner form. The bottom of the interior is carved with the shallow circular form that is called the gokezoko bottom. The exterior sides of these bowls have been decorated with an array of jakago openwork basket motifs, yoraku jewel strings motifs, a violet plant motif, and a plant motif that resembles irises. These motifs have all been drawn in the distinctive, flowing brushwork of Shino ware, and their colors fired to vivid clarity. Quite often Shino ware and Kiseto ware sets of dishes have been divided into individual dishes (cat no. 90), and there are very few sets of 5 dishes that have come down through the centuries as intact sets. The center of the carved area of the interior bottom has been left un-glazed, and this exposes the soft white clay body particular to the Mino region. TA

解説(春の玉手箱)

 轆轤挽きした後に四方をせめて四方入隅形に仕上げた筒向付である。底はいわゆる碁笥底風に浅く円形に削り込まれている。胴の外四方には蛇篭文,瓔珞文,さらにすみれと菖蒲のような植物文様が各面に交互に描かれ,長石釉が掛けられている。文様は志野独特ののびやかな筆行きで,発色も鮮やかである。柚肌に融けた長石釉の柔らかさと優しい入隅のデザインとの相性の良さは、志野焼ならではの味わいといえよう。この種の向付は一客ごとに分けられている場合が多く,このように五客揃って伝世しているものは少なくなっている。底は削り込みの部分を中心に露胎となり,美濃地方特有の柔らかな白土が見られる。