本手瀬戸唐津茶碗 銘 雲井ほんてせとがらつぢゃわん くもい

  • 佐賀県・唐津窯
  • 桃山~江戸時代
  • 17c
  • 瀬戸唐津陶製
  • H-5.8 D-13

 瀬戸唐津には、朝顔形の平茶碗で、口縁に鉄釉の口紅が施された皮鯨と呼ばれる手と、本手瀬戸唐津といわれる深手の碗形茶碗がある。茶人の間では本手の方が皮鯨手より古いとされる。この茶碗はその本手と呼ばれるタイプで、全体に釉ひびが入り黄色みを帯びた釉の小振りの碗形である。見込み中央には茶溜りがつけられ、そのまわりに目跡が5つ残っている。高台は土見せで、高台内には渦兜巾が見られ、高台まわりが梅華皮状になるなど、高麗茶碗の気風を色濃く残した作行きの、味わい深い茶碗となっている。

唐津焼(からつ)

佐賀県西部から長崎県一帯にかけて焼かれた陶器。窯跡は広範囲に広がっています。開窯時期は天正年間とされていますが、大々的に発展したのは豊臣秀吉による文禄・慶長の役(丁酉倭乱)(ていゆうわらん)で朝鮮の陶工たちが日本に連れてこられて以降のことです。桃山時代の作品は特に茶陶に優品が多く、江戸時代前期までその様式は引き継がれました。


奥高麗茶碗 銘 入舟 瀬戸唐津茶碗 絵唐津水指 銘 十字むしもち 絵唐津筒向付 絵唐津柳文輪花鉢 絵唐津矢文向付 奥高麗水指 銘 明月 唐津大皿

瀬戸唐津とは(1)

 骨董家のいわゆる唐津名物の一つ。瀬戸唐津、本手瀬戸唐津の二種があって、前者はその骨董的価値が高い。尾張瀬戸の釉を用いるがゆえにこの名があるといい、また瀬戸に酷似している唐津であるがゆえにこの名があるという。白土で白色釉を施す。亀甲形の釉ひびがあって、そのひびが極めて大きい。平茶碗風で口縁に黒釉を施したいわゆる皮鯨が特色である。本手の方は碗形で、茶家の間では本手の方が皮鯨手より古いという。(淡交社「原色陶器大辞典」より)

瀬戸唐津茶碗

瀬戸唐津とは(2)

 茶碗の一種。唐津の漉土を使い、瀬戸の上釉を用いて焼成したゆえにこの名があるという。焼出した窯は未詳。砂気の多い白土で、白色釉が施され、釉ひびがある朝顔形の平茶碗で、高台は低く、口縁に鉄釉の口紅が施され、俗に皮鯨と称される。中国定窯・磁州窯などの天目茶碗にヒントを得たものであろう。また本手瀬戸唐津といわれる深手の碗形茶碗もあり、唐津鬼子嶽飯洞甕下窯・同上窯・帆柱窯・道納屋谷窯などから類似の破片が発見されている。(淡交社「原色茶道大辞典」より)

瀬戸唐津茶碗