切子丸形ガラス三段重

  • 江戸時代後期─明治時代前期
  • 1826-1882年
154切子丸形ガラス三段重

一点
江戸時代後期-明治時代前期 一八二六-八二年
高一七・七 径一二・一 一段高五・五-五・八
MIHO MUSEUM蔵

桐箱の蓋裏には「ギヤマン切子菓子器」の墨書がある。素地は、やや黒味を帯びているが、手彫りによる切子のカットは入念である。底部と蓋が同じカット・パターンで統一され、段からはずして併置すると中央の菊文が効果的な美しさで浮かび上がってくる。側面はアイリッシュ・カット風のパターンで、文様は三段とも揃えられている。一段に、熔け残った鉛が玉になって混入しているのも興味深い。小ぶりながら極めて上質の和製ぎやまん段重である。