勢至菩薩坐像せいしぼさつざぞう

  • 平安~鎌倉時代
  • 12c
  • 木造漆箔
  • H-54.5 W-40

 勢至菩薩は、智慧の光で人々の迷いを取り除く大きな力を具えているとされている。観音菩薩とともに阿弥陀仏の脇侍となって阿弥陀三尊を形成することが多い。この像は全体に穏やかで典雅な藤原様式をとどめる作風であるが、鎌倉時代以降に盛行する玉眼の技法を用いている。顔面の彫りに比して宝髻及び合掌する手の彫りの単純さ、襞の幅が平行でかたい感じがすることなどから判断すると、顔面以外の部分は全体に補修が入っているか、または後補である可能性が高いと思われる。合掌する姿の菩薩であることから勢至とされているが、少なくとも手の部分は後補であるから、厳密に言うならば尊名は確定できない。

菩薩

菩薩 ぼさつ

サンスクリット語でbodhisattova、パーリ語でbodhisatta。菩提薩多ともかく。
 悟りを開く以前の釈迦を指すこともあるが、広く仏になろうと修行する者をさし、未来の仏、求道者をいう。
 大乗仏教の解釈では、上に向かっては自ら菩提を求め、下に向かっては他人を救済、教化する利他の行をおこなう者をいう。


菩薩形坐像 地蔵菩薩立像 菩薩形立像 地蔵菩薩鏡像 菩薩立像 草花蝶鳥装飾経(妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五) 菩薩形立像